2000/04/27
辛口の話
今度こそ文章の辛口の話です。よく、私の文章は辛口だと言われます。私としてはこれでも手抜きの甘いほうだと思うのですが、一応中辛ということにしておきます。私は大部分の人が、読んだ後で苦笑するような、一本取られた、と思うような文章を中辛と位置づけています。ちなみに、この大部分に含まれない人というのはちょっと書いただけでその部分だけ見て怒り狂うファナティティックな人達のことを指しています。
文章が人に大きく影響を与えることは、自分が影響を受けた本というのが誰でも一冊はあることからもわかると思います(余談ですが、あおい氏にこの質問をすると新明解国語辞典という納得するようなしないような答えが返ってきます)。それにしてもペンは剣より強しじゃないですけれど、文章の持つ破壊力というのは想像以上に強力です。どのくらい強力かというと、人が殺せるくらい強力なのです。歴史をひも解くと文章が人を死に追いやった例というのは結構あります。ケルトの世界では詩人がよく英雄を死に追いやりますし、古代ギリシャだと思いますが、文章で相手を何十人も殺した人の話があります。ちょいと毛並みは違いますが、少し前に日本でも自殺の仕方の書かれた本を読んで自殺した人がニュースになったこともありますね。私自身、文章で相手を自殺未遂に追い込んだことがあります。それ以来、本気の文章は自ら封印してます。最近は文章の破壊力を知らずに文章をこねくりまわす人が多くなってきました。そういう人には文章の本当の破壊力を教えてあげたいと思うことがありますが、今のところ自制できているようです。相手を自殺に追い込むような文章はそれはそれで難しいのですが、基本的に中辛の文章というのは普通の文章や辛口の文章よりも難しいです。だからこそ面白いのです。敢えて困難な道を選び、しかも困難になればなるほど燃えてしまう私の性格がこんなところにも出ています。
このテーブルトークでは、少し辛めかな、という文章には必ず最後に落ちをつけることで中辛にしているのですがおおむね好評なようなので、ちょっとほっとしています。


 

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