2000/04/25
StripingRAIDの話
最近、StripingのRAIDが流行しています。なんでそんなRAIDだRAIDだと騒ぐかというと、マシンスペックが高くなりすぎて、演算装置であるCPUの速度に記憶装置であるハードディスクが追いつかず、アクセス競合を起こすようになったのです(フォン=ノイマン=ボトルネックと言います。このフォン=ノイマンという人は量子学の世界でも有名な人なのですが、コンピュータの世界でも有名です。現在のコンピュータの99%以上がこの人の提唱したノイマン型コンピュータです)。そこで少しでもハードディスクの速度をあげようと、Stripingが流行りだし、猫も杓子もStripingRAIDになってしまったわけです。Stripingというのは例えば2台のハードディスクならあるデータを半分こして書き込んだり読み込んだりすることで、理論上は2倍の速度で読み書きできることになります(ハードディスク1台あたりに読み書きする量が半分に減るから)。実際に測ってみると1.5倍くらいにしかなりませんが、それでも少しでも速いマシンが欲しい人達にとっては充分な魅力となります。
RAIDは本来はRedundant(冗長に)Arrays(配列する)of(の)Inexpensive(安い)Disks(ディスク)の略だったのですが、RAIDを実現するにはとても高い機器が必要だったため、このIの意味が最近ではIndependent(独立して)にすりかえられていました(CompaqあたりはIndependentと説明してます)。ところが最近は安価なIDEのRAIDが出回り出し、本来のRAIDの意味に近づいたため、お手軽にStripingRAIDが使えるようになったわけです。ちなみにStripingはハードディスクのどちらかが壊れれば両方のデータが使えなくなるので、危険も2倍(厳密には2倍よりは少ない。故障率を0.1とすると、2台のStripingでの故障率は1-故障しない率*故障しない率=1-(1-0.1)*(1-0.1)で0.19になる)になります。実はリスキーなんですね。
ま、リスクよりも速さを選ぶのが昨今の風潮ですのでお手軽StripingRAIDの流行は当分続くでしょう。私
のように痛い目に遭ったことのある人は必ずテープ等でバックアップを取ったりするんですが、皆さんも当然バックアップ取ってますよね?言われるまでもない?こりゃ失礼。


 

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