2000/02/25
S屋敷の幽霊話
今日も風が強くて寒かったです。もっと寒くなれるように、ちょっと恐い話です。
「真実の語りべ」S氏の別荘「S御殿」に行ったときの話です。それは旧軽井沢にある、古い屋敷でした。
S氏によると、出る部屋があるらしいんです。出るって、当然、あれです。幽霊です。そんな面白い部屋に泊まらずにいられますか?いられませんよね。というわけで、私は一人でその部屋に泊まることにしたのです。私は科学の徒ですから幽霊なんか信じていませんしね(その割には霊的体験が多いけど)。
さて、いざ泊まるという段になって私はその部屋に入りました。別にどうってことはない部屋なんですよ。電気消してふとんに潜り込んで。そのまま寝てしまったんですね。ふ、と目が覚めたら、体が動かない。
金縛りです。金縛りなんて脳が起きて体が寝ている状態に過ぎません。そもそも私は高校時代に毎夜金縛りにあっていたくらいですから、慌てず、いつもの方法を試すことにしました。とにかくどこか筋肉を動かせばいいわけで、一番簡単に動くところ、下顎を左右に動かすんです。これをすると、金縛りが解けます。一応、医者から聞いたので本当だと思いますし、今まではそれで解けていました。
ところが、このときだけはうまく行かないんです。しかも、いつもと様子が違うんです。私の場合、金縛りは幽体離脱的に体が軽くなって浮いている感じがするのですが、そのときのそれはまるでぐるぐる回りながら地底に落ちていくような、そんなまるっきり逆の感覚でした。
どうやってもほどけないので、諦めました。どんどん潜っていく感覚。突然金縛りが解けたんです。慌てて腕時計を見ると午前2時9分。
次の日の朝、数人が2階から起きてきたので(私だけ1階に泊まっていた)小声で昨日の話をしました。
なんか、地面に吸い込まれるような、変な金縛りにあってね、って。そうしたらS氏が2階から降りてきて、こう言ったんです。
「あの部屋で10分くらい金縛りに遭いませんでしたか?ぐるぐる回りながら地面に吸い込まれるような、変な金縛りに」。
これは関係者に確認すればわかりますが、実話です。


 

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