2002/03/13
放送基準の話1
さて、日本民間放送連盟の「放送基準」ですが、抽象的で具体性に欠けるとか色々と問題はありますが、書いてあることは、それなりに立派です。しかし、現在の放送では守られているとは思えません。実際にどのくらいの違反をしでかしているのか、見てみましょうか。
まず、第一章には人権について書かれています。「人命を軽視するような取り扱いはしない」「個人・団体の名誉を傷つけるような取り扱いはしない」「プライバシーを侵すような取り扱いはしない」と続きますが、他国で事故が起こって死者が出ても「幸い」日本人は乗っていませんでした、というのは人命軽視にならないんでしょうか。このへんは「人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない」という項目にも引っかかると思いますけれど。ついでに書くなら、某料理対決番組で、二人一組のお笑い芸人に対しては、通常の参加者の半分の量しか食べさせないような真似をしていますが、これは職業によって取り扱いを差別していると胸を張って言えるのでしょうか。第二章は「法と政治」です。これも突っ込むべきことは幾らでもありますが、「国の機関が審理している問題については慎重に取り扱い、係争中の問題はその審理を妨げないように注意する」とあるのですが、その後ろの「国際親善を害するおそれのある問題は、その取り扱いに注意する」と併せて鈴木宗男氏の問題の報道姿勢を見ると、なかなか興味深いものがあります。第三章は「児童および青少年への配慮 」です。「児童および青少年の人格形成に貢献し、良い習慣、責任感、正しい勇気などの精神を尊重させるように配慮する」。立派なことを言っていますが、子供向けの情報番組なんか見ていると、とてもそうとは思えませんが。「児童向け番組は、健全な社会通念に基づき、児童の品性を損なうような言葉や表現は避けなければならない」とあります。ということは、ぴーひゃらぴーひゃら言っているアニメ番組なんかは、きっと子供向けじゃないんでしょうね。
続きます。


 

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