2001/08/12
語源の話4
昨日の続きです。
たいていの若者言葉の語源がわかっているどころか複数説あるのに対して、まったく語源がわからない言葉もいくつかあります。例えば今は完全な死語となっている「ハクい」という表現です。この言葉は「美しい」とか「格好良い」というような意味ですが、色々と調べてみましたが、語源はおろか出典すらまったく見つかりませんでした。私が勝手に考察するとハクを漢字で変換すると「箔」「白」「薄」「博」あたりが怪しいですね。箔の場合は、「箔がつく」から、一緒にいると自分の箔も上がるようなという意味でしょうし、白は、「色白は百難隠す」という言葉のとおり、美人の代名詞、薄は「薄幸の美女」の薄でしょうし、「博」は知的なという意味で、どれもこれも可能性はあります。同じような言葉に「マブい」というのがあります。こちらも語源は不明ですのですが、恐らく「まぶしい」だと思われます。一応書いておきますが、「ハクい」にしても「マブい」にしても別の考え方として当時有名だった誰かの名前である可能性もあります。「マブい」が「マブ」になると別の意味になりますが、こちらは多少はわかっており、「真面目」が「マジ」に変わり、「マジ」が「マブ」に変わったのですが、どうして「マジ」が「マブ」になったのかまでは明らかではありません。こちらも死語ですね。若者言葉とはちょっと違いますが死語繋がりで。「100万ドルの夜景」という言葉があります。こんなものに理屈も糞もないだろうと思っていたら、ありましたありました。昭和二十八年に神戸が100万ドルの夜景であるということを説明した例が存在しているのです。それによると、当時の電力会社の社長が大阪、尼崎、芦屋、神戸の電灯の数が約500万個であり、その電気代を当時の固定相場1ドル360円でドルに換算すると約100万ドルになる、と。もちろんこじつけでしょうが、面白いですね。
さすがに若者言葉は尽きましたので、明日からはことわざや慣用句関係の語源をつらつらと書こうと思います。


 

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