2002/02/23
体脂肪率の話
アルカリ性食品についで愚かしい迷信は体脂肪率ではないでしょうか。
体脂肪率が迷信なんてとんでもない!と言って怒る前に、まあ、体脂肪率というものがどういう計算式によるものかをちょっと聞いてください。体脂肪率というのは、正しくは人間の比重を用いて計算するものです。これは筋肉が脂肪よりも比重が軽いことを利用して、脂肪の多い人ほど比重が軽いという理屈になります。この理屈自体は極めて正しい、アルキメデスの原理と言えるでしょう。対象が死んでいれば。というのも、その数式は「(4.57÷比重−4.142)×100」で求まる(この数値になんらかの根拠を求めるのは辞めたほうがいい。それらしい理屈は見たが、現実的な根拠などまったく存在しないのだから)のですが、人間の比重は一定ではないのです。一般的な人の場合、息を吸った状態での比重はおよそ0.98です。逆に息を吐いた場合の比重は1.06となります。だから水の中で息を吸っていれば浮きますし、息を吐けば沈むのです。これを上記の式に当てはめてみると、体脂肪率は吸ったときで52%吐いたときで17%という数字が求まります(そのため体脂肪の水槽測定の場合は、対象に息を吐いてもらった状態で測定することになっているが、吐ける量もまた誤差が大きく、あまり意味はない)。このあまりの誤差に驚くのは、まだ早いです。簡易的に体脂肪率を求める機械を握ったことがあると思いますがあの機械、手前に引き寄せた状態で握ったのと、手を伸ばした状態で握ったのでは数値に凄い差が出ることを知っていますか?理由は簡単で、握力が変わるからです。同様に、手を水で濡らした状態で測定した結果と、手を乾いたタオルで拭き取ってから測定した結果も大きく異なります。人間の抵抗値など、手の表面の湿度によって大きく左右されるのです。ですから運動した後に体脂肪率が減るのは当たり前です(発汗によって抵抗値が低くなるから)。
そろそろスポーツクラブの宣伝工作に引っかかるのは卒業してみてはいかがでしょう。まあ、体脂肪率信者には何を言っても聞く耳を持たず、数%程度の誤差による変化で一喜一憂するのでしょうが・・・。


 

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