2002/02/19
1円玉のエネルギーの話1
道に落ちている1円玉を拾うのに必要なエネルギーは1円以上、という話を、誰でも一度は聞いたことがあると思います。少し考えれば、それが嘘だということはわかるのですが、無理矢理にでも真実にできないでしょうか。
まず、あやふやな点を利用しましょう。エネルギーです。エネルギーというのは物理学的にはkg*m*m/s/sで表せますが、一般にエネルギーといった場合は単位に関係無く、活力をあらわすことが多いです。とはいえ、まずは純粋にエネルギーの観点から考察してみましょう。1円玉を拾うのに必要なエネルギーとはしゃがんで地面に手をつけ、1円玉を拾い上げ、元の態勢に戻るまでのエネルギーであり、これは類似的にスクワット1回分のエネルギーに匹敵すると考えていいでしょう。このときの運動量はカロリーで求められるはずですが、残念ながらスクワットにおける消費カロリーに関する資料を見つけることができませんでしたので、代わりに水泳運動のカロリーで見てみますと、水泳はおよそ30分で200キロカロリーのエネルギーを消費すると言われています(ちなみにカロリーとは1気圧摂氏14.5度の水1グラムを1度上げるのに必要なエネルギーとなっているが、別の計算方法もあるようだ)。1円玉を拾うのに所要する時間は私の計算だとどれだけかけても3秒を上回ることはないようです。そこで、1円に有利なよう、仮に3秒として計算しましょう。水泳ですら30分で200キロカロリーですから、1円を拾うための3秒間に消費するカロリーは0.33キロカロリー以下となり、1円にかかるカロリーが求まりました。さて、カロリーが高いことで有名なチョコレートですが、これは30グラムで160キロカロリーです。さすがチョコレートですね。この一般の板チョコ100円のグラムはおよそ50〜65グラムですから、この倍の320キロカロリーを摂取できます。これを1円あたりのカロリーに返還すると、3.2キロカロリーとなり、論外なことがわかります。
続きます。


 

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