2001/11/07
限界のときの話
自分が技術者として限界だと感じるタイミングというのは人それぞれだと思います。
ある人は仕様書を見てアルゴリズムが思いつかなかったときと言いますし、ある人は不具合の理由がわからなくなったときと言います。あるプログラマは新しい言語が主流となり、自分の使っている言語が使われなくなったときと言いますし、あるプログラマは後輩に聞かれた質問に答えられなかったときと言います。私は自分が技術者として限界だと感じるタイミングを「新しい技術に挑戦できなくなったとき」としています。これは言語でも自作でもなんでも構いません。現在の自分の技術に満足してそこからさらに一歩が踏み出せなくなったときが限界です。これは別の言い方をするなら「勉強するのが面倒くさくなったとき」とも言えるかもしれません。自分が何かを学ぼうとして、それが億劫になったとき、技術者としての自分は死ぬのだと思います。だから、私は日夜勉強しています。新しいことに挑戦しています。その結果、身を結んだものもありますし、身を結ばなかったものもあります。現在の私の仕事は基本的には保守で、私の前任の技術者が作り上げた「怪しい」プログラムを手直しし、外見上は何も変わらず、いたずらに機能が増えて速度が遅くなるだけの新しいOSが出ても、これ以上の障害が発生しないようにすることが求められています。そこには新しい技術は無いように見えます。しかし、実は最新OSの、しかも内部にまで携わることができるのです。新しい技術というのは与えられるものではなく、自分で探すものなのだということに最近になって気づきました。そのおかげで今の仕事にあまり不満は感じていません。しかも保守の仕事はわりと楽なので、自由になる時間があり、仕事の合間に新しいことに挑戦することもできます。もちろん仕事として必要になる範疇で、ですが。
結局、色々と書いてはみましたが、「現在、自分がやっていることの中に新しい技術を感じることができなくなったとき」が技術者としての限界のときなのかも知れません。それはいつのことでしょうか。明日だったりして。


 

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