2001/10/15
水生哺乳類の捕食の話
水生哺乳類にはクジラとかイルカとかシャチなどがいますが、その生態についてはほとんど知られていないようです。私もまったく知らなかったため、クジラがどうやって獲物を捕っているのかを聞かれて答えられず悔しい思いをしましたので調べてみました。
クジラくらいの大きさになるとあの体を維持するためには半端ではない食事量が必要なのですが、適当に探していてもそれだけの食料を確保するのは難しいということは容易にわかります。実は水生哺乳類はある哺乳類と同じ方法で餌を探していたのです。それはコウモリです。コウモリは超音波を発射し、その跳ねかえりから餌の位置を測定します。これは魚群探知機やソナーと同じ原理です。水生哺乳類も実は超音波を発射してその跳ねかえりから餌の位置を測定しています。魚の浮き袋の中には空気が含まれており、この空気の層が超音波を跳ね返しやすいため魚の存在する位置を知ることができるのです。もちろん水生哺乳類がこのような探知法を行えば、大公手段も存在します。例えばコウモリに対して、ある蛾はコウモリよりも先にコウモリの出した超音波をキャッチして逃げるものがいるように、魚には水生哺乳類の出した超音波を先にキャッチして逃げるものがいます。またステルス機能として浮き袋を持たない魚というのもいます。しかし、どちらの方法を使うこともできない水生生物にも対策手段があります。例えばイカやタコです。イカやタコには耳が無いため、水生哺乳類の出す超音波を察知することが出来ません。また、ステルス性もありません。そのかわり彼らはまるで軍用潜水艦のような防御法を行うのです。海中には超音波で感知しにくい領域というのがあります。それは温度差がある場所や塩分濃度差がある場所です。このような場所では場所全体が音波を跳ね返してしまうため、魚を個別認識できなくなるのです。イカやタコはこれらの差のある場所を好んで回遊します。これで水生哺乳類からの捕食に対抗しているのです。
逆にその性質を利用して差のある層に網を張ってイカやタコを捕る漁法もあり、生き抜くのは大変だなあという感じがしますね。


 

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