2001/07/24
月の旧名の話3
昨日の続きです。
さて、五月の旧名は「皐月」と言います。早苗を植える月と一般に流布されていますが、昨日、四月の別名で苗関係があったことは覚えていますか?だからちょっと変ですよね。田うふることさかりなるから皐月説というのもあるのですが、これも微妙です。というわけで、実は有力なのは神稲(くましね)という神に捧げる特別な白米を昔「さ」と言っていたことから「神に供える稲を植える月」の意味だという説です。皐月は「早月」と書くこともあります。この月の別名にはそのままずばりの「早苗月」が有名ですがこれ以外にも稲関係では「稲苗月」「早稲月」などがあります。また、旧暦五月は新暦では梅雨のころにあたりますので(だから五月晴れは本来は梅雨の合間の晴れ間のことだった)「雨月」「授雲月」「月不見月」「梅月(二月の別名と同じ!)」「浴蘭月」などがあります。また、草木ますます盛んということで「多草月」「吹喜月」なんてのもあるようです。恒例のわけがわからないのには「建午月」「悪月」「賤男染月」「鶉月」なんてのがあります。六月の旧名は「水無月」です。この月はやっかいな月で、一応梅雨明けになって水が枯れる様子からという説が主流のようですが水無月はのちについた当て字で、元来は田に水の入る月という「みずのつき」の変形の説、田植えが終わってやることがなくなったので「皆仕尽くした月」説、雷が多くなるので雷月が変化した説、水之月で田に水が最も必要な月の意味だったのが之の漢字が無に間違えられたという珍説まで数多く取り揃えております。この月の別名は旧暦では夏の終わりということもあってか「建末月」なんてのがあり、風流に「涼暮月(今の八月なんだけど)」「弥涼暮月」「松風月」「風待月」や雷関係で「鳴雷月」「雷月」あと田植えが終わってないと焦るから?「未月」「焦月」それから「水月」なんてのもあります。わけわからない系ですと「遯月」「伏月」あたりでしょうか。
やっと一年の半分が終わりました。頑張りましょう。明日に続きます。


 

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