2001/07/10
Hになるほど固くなるものの話
Hになるほど固くなるものなーんだ、というなぞなぞがあります。答えはえんぴつです。前にテーブルトークでえんぴつだけで一本書けると書きましたが実際に書いてみました。
一番最初に疑問に思うのはえんぴつの柔らかさの表記は何を表しているのかということでしょう。知ってのとおりえんぴつはH、HB、Bと行くに従って柔らかくなっていきます。このうちのHはハード(Hard)の意味というのはわかります。問題はBです。Bというのはブラック(Black)から来ているのです。よってHBはハードブラックということになります。なんで柔らかいのがブラックなんだ!と突っ込みを入れたいのは私だけではないでしょうが、たしかにBで書いた場合はHで書いた場合よりも色が濃いような・・・正解です。鉛筆は柔らかいほうが紙の繊維の隙間へ乗りやすいため濃くなるのです。ちなみにHとHBの中間であるFはフィーム(Firm。Filmではない)で、「堅固な」というような意味らしいです。これらえんぴつの固さはえんぴつの芯の材料の比率によって決定されます。えんぴつの主原料は黒鉛と粘土なのですが、一般には黒鉛:粘土を7:3程度の割合で混ぜ、その比率から黒鉛の量が多いほうが柔らかく、粘土の量が多いほど固くなります。えんぴつがなぜ鉛筆と書くかというと、中国では昔は文字を書くのに鉛の円盤を使っていたためで、それを細長くして木に挟み込んだのが鉛筆だったためです。現在使われている黒鉛は炭素なので鉛は使われていません。これらの材料は主に中国からの輸入に頼っているようです。また、外側を挟む木はインセンスシダーという木らしく、アメリカから輸入しているようです。えんぴつの芯はシャープペンの芯とは微妙に異なります。シャープペンの芯は鉛筆よりも強度が要求されるため、粘土を使わずに黒鉛を樹脂で直接固めて作るようです。そのためえんぴつは6Bから9Hの17段階の固さがありますがシャープペンシルにはそこまでの固さの範囲はありません。
何気なく使ってるうちに芯が丸くなって使わなくなってそのうちどこかに行ってしまって大掃除のときに机の下あたりに転がってるのが発掘されるえんぴつにも知らないことはあるのです。


 

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