2000/12/17
光ファイバの話
情報インフラ整備だとか、IT革命だとかって話で避けて通れないのが光ファイバです。この画期的な商品を発明したのは実は日本人だった、ということはあまり知られていませんね。もちろんドクター中松氏がフロッピーディスクの発明者だ、のような嘘ではありません(ドクター中松氏の特許を調べてみると、該当しそうなものは「シャッター付き名刺入れ」です。たしかにフロッピーディスクと形状的な相関はありますね。ついでにIBMが特許を買い取ったと言っていますが、実際には非独占的特許使用契約を結んだだけです)。
西澤潤一博士という方がその光ファイバ(正確には収集性光ファイバ)の発明者です。この人の発明はそれ以外にも高周波直列抵抗を変化させるダイオード(PINダイオード)や半導体レーザ、静電誘導トランジスタなんかもこの人が発明したものです(!)。光ファイバは大量の情報量を一挙に送ることができ、しかも情報の損失が極めて低く、電磁波などの影響もほとんど受けないため、高速な通信網にはこれほど重要な技術はありません。しかし、この光ファイバに関する特許は米国のコーニング社が保有しており、日本の企業は膨大な特許料を支払って使わせてもらっているというのが現状です。そのため当然ですが低価格の光ファイバ網を実現することが出来ず、これが結局日本の通信事情を悪化させている遠因となっています。何故日本が発明したのに?そう思った人もいるでしょう。実は西澤潤一博士はこの光ファイバの発明でちゃんと1964年に特許の申請をしているのです。ところが日本の特許庁はいろいろと理由をつけて、その特許を認めなかったのです。そしてその間にさっさと米国の企業に米国で特許を取られてしまったわけです。あのとき、なぜこれほどの技術の特許を認めなかったのでしょうか。先見性が無さすぎた、ということに尽きます。
ちなみにこの年に現在、無理無茶無謀のIT革命を唱えている某国の総理大臣が衆議院議員初当選していることとは・・・・・残念ながら何の関係もなかったです。


 

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