2000/11/15
SETIの話2
昨日の続きです。
地球とまったく同じ時間に文明が発生し、まったく同じに進化した惑星があったとします。その文明が地球に向けて電波を送ったとしても、電波の歴史は50年ですからそれが50光年以上離れた場所にあったら、我々にそれを傍受するすべはないのです。具体的な例としてαケンタウリを考えましょう。4.3光年の距離にあるαケンタウリから電波が届いたとしてもそれは4.3年前の電波です。つまり今から4.3年前に電波を送れるような知的生命体がαケンタウリに存在し、さらに地球に向けて電波が送られていれば傍受可能ということです。万が一、文字どおり天文学的な確率をクリアして無事に傍受できたとします。それが100光年先の星からだったと仮定しましょうか。この後、どうするのでしょう。それに関してSETIは何も定義していません。その名称からわかるとおり、探すことが目的なのです。見つかった、で、どうするの?の問いには答えがありません。こちらから電波を送り返すのでしょうか。冗談じゃありません。向こうが送ってきた電波は100年前の電波です。こちらが送って向こうに届くのにさらに100年、そしてもしそれを相手が受け取ったとしてもそれをさらにこちらに送り返すのに100年かかります。都合300年です。αケンタウリですら13年です。そんな長距離電話で何をしようというのでしょう。
SETIが示した数式は知的生命体の存続する時間というのが大きな要素を占めています。よって人類が存続する時間が長ければ長いほど存続する可能性が高くなります。人類が存続するためにまず解決しなければならないのは環境問題とエネルギー問題ですよね。その知的生命体を探すために使うエネルギーはSETI計画に参加する人が多くなればなるほど増大します。なぜならコンピュータに計算させれば電気エネルギーを使いますし、さらに熱を発生し地球の温暖化にも貢献します。SETI計画とは自らの首を絞める矛盾した計画なのだと言わざるを得ません。いっそのこと人類の抱えている問題の解答を宇宙に聞きますか。300年後、人類が滅んだ後でわかるかも知れませんね。


 

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