2000/11/11
IPv6の話2
昨日の続きです。IPv4は深刻なアドレス不足に陥りました。数々の延命措置により最新の情報では最短でも2010年まではアドレスは枯渇しないというデータが出ています。しかし、だからといって手をこまねいてみているわけにもいきません。そこで誕生したのがIPv6規格です。
この規格自体は割と前から準備されており、予定ではとっくに移行していなければならないのですが、伸びに伸びて、こないだやっとドラフト成立、最近になってなんとか実験が始まるという体たらくです。このIPv6というのはもちろんアドレスの増大以外にもヘッダの最適化だのフローラベルだの認証やプライバシ強化だのマルチキャストだのといった機能拡大もありますが、やはり重要なのはIPアドレスを一気に128ビットまで増やしたことです。これによる組み合わせは三十四砂(かん)というとてつもない数です。砂というのをちょっと単位の知識でいきましょう。億の万倍が兆ですよね?その万倍が京(けい)、同様に垓(がい)丈(じょ)壌(じょう)溝(こう)ときて次が砂(かん)です。気の遠くなるような数字ですからまず枯渇問題は起きないでしょう。世界人口五十六億に対して一人当たり六十丈個のアドレスを持てる計算ですから。ただし、問題はあります。まずは機器をすべてIPv6に変えなければならないこと、またソフトウェアもそれに追従しなければならないこと。現在最も普及しているといってよいOSであるWindowsは32ビットであり、コンパイラに用意されている最大の数値は64ビットにすぎません。DNSも置き換える必要があります。このへんはユーザ側からはあまり関係ない話なのですが、直接ユーザに絡むこととしてアドレスが非常に覚えにくくなることがあります。DHCPサーバを使用していれば問題はないのですが、なんらかの理由により固定アドレスで運営している場合、今までは例えば210.232.194.96のような数字であったのが一部省略可能ではありますが今後はC0A8:C3B0:554F:86C3のような長い文字列で覚える必要があります。
とはいえ、IPv6移行は必要不可欠なことです。なるべく混乱なく移行してほしいものです。


 

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