2000/10/09
チーズの話
美味しいチーズを手に入れたければその制度を調べれば簡単です。何故ならヨーロッパは製品の品質を示すことに関して非常に厳しいからです。
特にフランスは2種類の制度を用いて品質を管理しています。一つ目は農業ラベル制度です。これは並みの製品か、上質の製品かを記すもので、全国ラベルよりも地方ラベルのほうが厳しいというのがフランスらしいと言うか、なんだかなぁというか。同様の制度でAOCというのもあります。AOLではありません。AOCというのは、基本的には原産地の名前を商品名にし、またその産地以外が原産地名を使用しないという制度「原産地呼称管理制度」の略です。しかもただそこで取れればいいというわけではなく、原産地に対してさまざまな制限をかけ、それを満たしたものだけがAOCを示すことができるのです。このAOCで有名なのはシャンパンです。シャンパンというのはシャンパーニ地方で取れた発泡ワインの名前で、それ以外の場所で作られたものはシャンパンを名乗れません。チーズにもAOCがあります。産地、製造方法、熟成方法、形状から色に至るまで細かく決められています。これらの基準を満たしたものをボーフォール(ボーフォールタン地方の意)チーズと言います。フランス産で高品質のチーズを手に入れたければボーフォールチーズを買えばいいわけです。ボーフォールチーズの中でもさらに限定された称号に「Ete」と「Chalet-d'alpage」というのがあります。「Ete」は夏、という意味ですが、これをつけていいのは6月から10月までの夏季に作られたチーズのみです。「Chalet-d'alpage」は高地放牧農場という意味で、一定以上の高度にある放牧農場産の乳のみを使用してその場所で作られるチーズで、さらにこれには1日2回までという回数制限まであります。「Chalet-d'alpage」とは最高品質のチーズに冠せられる称号と言ってよいでしょう。なお、これは単に「alpage(アルパージュ)」と略して称することもあります。
このアルパージュを店名にしたチーズ専門店が最近開きました。早速行ってみたところなかなかの味でした。今後が楽しみですね。WebSiteはこちらです。


 

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