2000/09/15
机上戦略論(導入編)
今日から旅行に出かけます。セキュリティの問題上、私は外線からのFTPを禁止しておりますので、その間はテーブルトークの更新ができません。よって、今回はスペシャルとして一気に五日分のテーブルトークを上げます。なお、メールに関しては転送メールを使用して読むことはできますが、返事は帰宅後となります。
最近、架空戦記ものと呼ばれるジャンルのしょうもない作品が大量に出回っておりますが、基本的に戦略論を知って書かれているものはありません。全てがナンセンス以外の何物でもないと断定してよいでしょう(唯一の例外は「逆撃」シリーズです。さすがに作者が元フランス外人部隊所属だけのことはあって、このシリーズだけは戦略を感じさせます)。これらの架空戦記物がおかしいのは、戦術的な勝利が戦略的な勝利にすりかわっているということです。知っている人は知っていることなのですが、ここで一応戦術と戦略の違いについて書きます。戦術というのはある限定された空間における勝敗を決める要素で、戦略というのは戦争全体での勝利を決める要素です。プロ野球で例えるなら一試合一試合の勝敗を考えて、どの選手を使い、どういうオーダーにするか考えるのが戦術であり、ペナントレースという長丁場全体を考えて、ローテーションをどうするか、選手の健康管理をどうするのかなどを考えるのが戦略です。架空戦記物お得意の超兵器はあくまで局地的な状況=戦術的な勝因とはなりますが、全体的な状況=戦略的な勝因とはなりません。私は戦争経験者ではありませんので、あくまで机上論となりますが、今回、特に三点に絞って戦略論について述べたいと思います。その三点とは「補給論」「経済論」「運用論」です。これらが架空戦記物でどのようにおろそかにされているかを知れば、架空戦記物がいかに馬鹿らしいものなのかがわかります。おまけとして総論も入れておきます。
なお、今回は特に架空戦記物の作品名を挙げたりはしません。何故ならどの架空戦記物もタイトル以外はほとんど同じだからです。


 

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