2000/09/05
PCDIYは難しいの話
よく言われることに「パソコンの自作は難しくない」というのがあります。難しい難しくないは客観性を欠いた主観的な主張(例えば大学生に二桁の足し算は難しくないでしょうけれど、幼稚園児には難しいですよね?)だということを承知の上で、書きます。自作は難しいです。
私は実績としてこの1.5年で実に16台のマシンの自作を行っていますが、ノートラブルだったことはほとんどありません。トラブルを起こしては対応をして、というのを延々と行って、やっと完成しています。しかもこの手の作業にはノウハウがあり、そのノウハウを知らないとまったくどうしょうもない状態に陥ります。私がFAQで書いているようなことはノウハウにも入りません。IRQのバッティングやらバスマスターやらといった、もっとハードよりの障害のほうが多いのです。これを初心者に説明するのはほとんど不可能に近く、相手にある程度のスキルがないと、何故?という質問に答えることができません。ただ、「そういうもの」という抽象的でどうしょうもない説明しかできないのです。もちろん、ノートラブルで動いたものも多少はあります。こういうのは構成がある程度「枯れた」場合です。自作をしていない人には呪文のようですが、440BXのSLOT1マザーボードにPentium2、S3系の古いグラフィックなんて構成が当てはまります。最新のCPU、最新のチップセット、最新のグラフィックカードでトラブルを起こさないことなど、まったくない、と言ってもいいでしょう。それでも、運良く動くことはあるかも知れません。これはまさしく運がよかったのですが、そういう人が「自作は簡単」という風潮を広めます。結果、トラブルは当たり前と考えていないユーザが増え、ちょっとしたトラブルでもパニックに陥って周りに迷惑をかけることになります。安易にオーバークロックに走っておかしくしたりするのも同じです。「運良く動いた」という情報が何故か「必ず動く」にすりかわり、「動かないのがおかしい」になってしまいます。
だから私は自作は難しい、と言っておきます。トラブルがつきものだ、と。そういう心構えでいれば何が起こっても動じることはありませんし、原因もすぐに見つかるから。


 

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