2000/04/06
アルカリ性食品の話
最近パソコン関係の話が続いたのでちょっとブレイク。
この世でもっともくだらない健康の話はアルカリ性食品です。これは既に宗教になっていて、信じている人には何を言っても無駄なのですが、それでもアルカリ性食品とはどうしてアルカリ性なのか、というのを聞いてみると面白いです。大抵の人は、体内に入ってアルカリ性になるものと信じているようですが、体内に入っても別にアルカリ性になんかなりません。アルカリ性食品の判定法を教えましょう。灰になるまで燃やして、その灰を水に溶かし、溶かした水がアルカリ性になればアルカリ性食品です。もちろん、その中には人間には消化できない物質も含まれていますが、そんなことは関係なく、完全に灰にして水に溶かしてアルカリ性かどうかを見ています。この話だけでアルカリ性食品に何の根拠もないことがわかるでしょう。体内に入れてもアルカリ性になるわけでもない食品、それがアルカリ性食品なのです。ちなみに日本以外でこの根拠の無い大昔の説を信じている国はまったくありません。国辱ものですね。
そもそも、血液がアルカリ性だとか酸性だとかという話ほど意味のない話はありません。血液のペーハーは通常7.4で、そこから0.1でも増えたり減ったりしたら危険です。6.9〜7.5の範囲を超えたら、危険と言われています。ペーハーというのはある水溶液中の水素イオンの量を10のマイナス何乗かで表わす尺度です。水素イオンが10の-7乗、水酸化イオンが10の-7乗、つまり同じだけ存在している状態がペーハー7、中性です。7.4の場合は、水素イオンが10の-7.4乗、水酸化イオンが10の-6.6乗存在している状態です。アルカリ性に傾くよりも酸性に傾いた方がまだましだというのが不思議ですね。ちなみに、もし血液が0.1でもアルカリ性に傾いたら、アルカローシスという異常状態になります。
以上からおわかりのとおり、アルカリ性食品に何の根拠もありません。地動説と同じくらい意味の無い説なのです。それでもいまだに信じている人はいるんですよね。まさしくアルカリ性食品教としかいいようがないです。


 

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