2000/03/30
料理の鉄人の話
料理の鉄人はお気に入りの番組でした。大きな視野で見るとあの番組が何故あそこまで人気を持つに至ったのかが見えてくるからです。私はそれをフジ戦略と名づけました。
フジ戦略とは一に判官びいき、二に成長ドラマ、三にパロディです。順に説明しましょう。権威に立ち向かう無名のヒーローというのは必ず受ける要素です。これがフジ戦略の第一弾になります。料理の鉄人はそこから始まりました。つまり、有名店の一流シェフ達を無名の料理人がばったばったとなぎ倒していったわけです。痛快ですね。ただ、これはある程度進むと矛盾が生じます。無名の料理人が有名になってしまい、逆に権威になってしまうのです。判官びいきで考えれば、この時点で鉄人よりも挑戦者に視聴者のひいきが移ってしまいます。そうすると鉄人が勝っても面白くない。かといって負けてもいけない。ジレンマが発生します。ジレンマを打ち破るためにはどうするのか。フジ戦略は第二段に移行します。人間成長ドラマです。料理の鉄人という番組は強い和の鉄人を引退させ、弱い和の鉄人を持ってきました。この弱い鉄人にひいきをさせるわけです。その弱い鉄人が強くなっていく、しかも引退した鉄人が弱い鉄人の師となって教授する。素晴らしい成長ドラマですね。ところが、この成長ドラマも本人が成長してしまった後が続きません。こうなるとフジ戦略第三段に入ります。パロディ化です。料理の鉄人という番組は自らをパロディ化する戦法に出ました。アメリカの和の鉄人を用意し、派手なパフォーマンスで今までの番組をおちゃらかす。もっとも、これをやってしまうと後が続きませんから、第三段が終わったら番組は終了。あとはときどき特番でも出せばそれなりの視聴率は確保できるわけです。こういう視点で見ると、他のフジテレビの番組も基本的にはこのフジ三段戦略に基づいて作られているのがわかります。その中でも特にこの料理の鉄人はフジ戦略の見本的な存在でした。
シナリオや小説、漫画を書こうと思っている人はフジテレビの番組でフジ戦略を勉強すると非常に助けになりますよ。


 

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