2000/02/12
妖精の話
せっかくテーブルトークというタイトルをつけたので、ちょっとテーブルトークRPGと関係のある、妖精の話をしようかと思います。
ケルト民話(特に妖精物語)に関する蔵書は恐らく個人レベルなら日本でも有数だったと思います。だった、というのは引っ越したときにほとんど捨ててしまったからなんです。特に井村君江先生の本は絶版物(妖精文庫とか)から全て持っていましたし、かの妖精辞典もなけなしの金をはたいて買ってました。洋書も(別の用で行ったんですが)イギリスで買ってきたりしてました。これだけはS氏にもT氏にもあおい氏にも勝てるだけの知識がありました。
ケルトにはまるとファンタジーRPGがいかに歪んだケルト感から作られたのかがよくわかります。その代表的な例はホブゴブリンでしょうね。ホブゴブリンとはなんでしょう。強いゴブリンでしょうか。
ホブゴブリンというのは意訳が許されるなら「ゴブリンさん」とか「良い子のゴブリン」のような意味を持ちます(正確にはゴブリンのロビンさんという意味)。シェークスピアの夏の夜の夢のの文(ロビン・グッドフェローにティタニアの侍女が言う台詞。ニ幕一場)を読まれると納得いくと思います。つまり人間に代わって働いてあげたり、幸福を授けてやったり。決して悪い意味でホブゴブリンという言葉が使われることはありません(余談だがケルト世界観を歪めて誤解させる原因の一つとなったJ.R.R.トールキンの指輪物語の主人公の種族はホビットだが実はこれはホブゴブリンとほぼ同じ意味である)。
この誤解がどこから沸いて出たのか、調べてもわかりませんでした。どうもキリスト教による妖精の悪魔化の影響を受けたらしいということくらいはわかるんですが。
強さというか、悪さというか、に関する活用というのも非常に珍しい例ですが存在します。ボガートです。ボガートは悪くなるとボギー、さらにひどくなるとボーグルと呼ばれるようになります。出世妖精とでも言うべき存在です。こういう例は珍しいですね。
出世妖精で思い出したんですが実は私が密かに信じている説があります。それは「片足靴屋」ことレプリカーン(レプラホーン)の話なんです。
長くなったので続きは明日。


 

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