タイムマシン考 ドラえもんにおいて最高と言ってよいほどの頻度で登場するアイテム。
それは四次元ポケット
・・・
次に登場回数が多いのが恐らくタイムマシンである。

さて、タイムマシンだが、実はタイムマシンの研究は最近の物理学の目玉である。
実際にタイムマシンを実現する方法は既に二つほど考えられているのだ。
一つは超ひも理論(スーパーストリング)である。
超ひも理論によると宇宙ひもと宇宙ひもがすれ違うときに時間逆行現象が起こるというのだが、さすがに第十次元の話はよくわからないし、宇宙ひもを作ることも恐らく難しいと思われるので割愛する。
もっと簡単な方法が相対性理論と量子論という、近年の物理学の目玉の合体によって可能となる理論である。

それはウラシマ効果とワームホールである。

まず、ウラシマ効果から説明しよう。
相対性理論を単純に言うなら「相対的に速く動いている物体の時間は遅く進む」というものである。
例えば地球から光速ロケットが飛び出した場合、光速ロケットの中の時間はゆっくり進む。
これが基本である。
だが、仮にロケットが静止しており、地球のほうが光速で遠ざかっていると見れば、地球の時間のほうがゆっくりと進むのではないか。
そのとおりである。
地球とロケットは二度と出会うことはないので、双方が遅くなった、と主張してもなんの問題も起こらない。
しかし、ロケットが反転して地球に帰ってきた場合は問題が起こる。
この場合、ロケットのほうの時間が遅くなるのだ。
これは特殊相対性理論(加速度を考えない)と一般相対性理論(加速度を考える)の違いでもあるが、加速度が変化すると、変化した側の時間がゆっくり進むことがわかっている。
つまり、帰ってくるために反転したロケットは加速度が変化したため、時間がゆっくりと進むのだ。
ようは物体を動かして、また元の位置に戻せば戻ったほうが遅くなる、と考えていただきたい。

ワームホールは「どこでもドア考」で書いたとおり、時間は極限に小さく、距離は自由に設定できる
このワームホールを並べて、一方のワームホールを移動させ、元の位置に戻すと面白いことが起こるのだ。
ワームホールの入り口をAとBとする。
AとBはすぐ隣りあっている。
Aを動かし、もとの場所に戻すと、Aの時間は遅くなる。
仮に1時間遅くなったとする。
Bのワームホールから人が中に飛び込むと、Aから出現するが、Aは一時間前の世界、ということになる。
これはまさしくタイムマシンである。
20世紀の物理学でタイムマシンを証明できるのだ。

だが、ここに新たな問題がある
このタイムマシンで過去に戻れる時間には上限があり、どう頑張っても、Aを動かし始めた時間よりも前に遡ることはできないのだ。
よって、過去にそうやって動かしたワームホールが存在しない限り、未来に出来たタイムマシンは現在に飛ぶことはできない。
つまり、将来的にタイムマシンを作ることはできるが、それでは現在やそれより過去には行けない

やはり我々にはタイムマシンは無理なのか
そこで、原作漫画をもう一度見てみることにした。
タイムマシンの映像では時計が歪んで見えている
この歪んだ時計、どこかで見たことがある。
この模様、明らかにタイム風呂敷のそれである。
タイム風呂敷は包み込んだ物質を過去に戻す性質がある。

タイムマシンの謎が解けた!

AとBのワームホールをタイム風呂敷で包むことで現在やそれより過去に行くことができるということである。

以下に解明したタイムマシンの原理を説明する。
まず、タイムマシンはワームホールを用いて空間を移動する。
この移動に使用するワームホールをタイム風呂敷で包む(タイムマシン移動中に見える歪んだ時計はタイム風呂敷を内側から見た模様である)。
これにより、空間と時間を自由に行き来する。

我々はついにタイムマシンの謎も解き、22世紀へとさらに近づいたのである。


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