もしもボックスと量子論 もしもボックスは非常に便利なアイテムである。
なにか願えばそれがそのとおりになってしまう、世界すら変貌させる強力なアイテムである。
しかし、このもしもボックスが実際にできることはないと考えるのが普通だ。
せいぜいパラレルワールドとしてしか存在できないだろう。

SFの世界ではあるまいし、パラレルワールド論なんて冗談じゃない

しごくごもっとも。
しかし、実は最新の量子論はこのパラレルワールド論というものが真剣に論じられていることをご存じだろうか。

これはある実験によるものだが、光の粒子を格子を通して壁に照射する。
そうすると波動の干渉作用によって縞模様ができる。
ここまでは高校くらいで習った人もいるかも知れない。
では、この粒子を一粒だけ通した場合、どうなるか。
もちろん一粒では他の粒子に干渉することはないので縞模様にはならない。
外れである。

実は粒子はたった一粒でも干渉を起こすのだ。

この現象の説明に使われるのが量子論の不確定性原理から導かれる確率による干渉である。
量子論によって導き出される答えは格子模様の右側を通った粒子の確率と左側を通った粒子の確率が互いに干渉して、自分自身の確率に対して干渉しているのだ。
なお、観測者が格子模様の直後に視点を置いて観測をした場合、粒子は左か右のどちらかを通り、縞模様が出ないという現象が発生する。
格子を出る直前で監視した場合、確率は確定されてしまっているためである。

この奇妙な現象を説明するのにパラレルワールド論が登場する。

パラレルワールド論によると、世界はこの粒子が左を通った世界と右を通った世界に分離し、結果としてまた世界が融合するという、量子論を知らないとまったくわからない話になる(私自身書いていてわからないだろうなと思うし)。
結論を急ごう。

量子論における不確定性をどこかで確定させてやるタイミングを変えれば世界は変貌しうるのだ。

本来は不確定だった世界のどこかの時間で誰かが確定をすれば世界を変貌させることは容易なのである。
それはたしかに一時的にはパラレルワールドとなる。つまり我々の本来の世界とは違う世界である。
しかし、パラレルワールドの融合から、時間的には連続して正しい世界と再び融合していれば、もしもボックスはその原理になんら問題はないのである。

しかし、問題は残る
もしもボックスの原理は誰がどのような方法で(人海戦術かタイミングを見る方法があるのか)何を使って(タイムマシンが有力)歴史を捻じ曲げているか。

色々な仮説があるだろう。
だが、これは今後の課題としておこうと思う。


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